昨今、メジャーに挑戦する日本人野手の評価がガタ落ちしている。
2001年の新庄剛志、イチローを始め、松井秀喜、松井稼頭央、井口資仁、中村紀洋、城島健司など日本のトップ選手が海を渡ったが、日本と同じような成績を残したといえるのはイチローのみ。現在アメリカにいる青木宣親、川崎宗則、西岡剛、福留孝介はいずれも期待された数字を残せていない。
この要因の1つとして、メジャーの過密日程が挙げられる。先発投手であれば、登板がなければ長距離移動を避けられるし、ダブルヘッダーも関係ない。だが、野手は試合時間よりも移動時間が長いこともザラなのだ。
それに対して、日本のプロ野球は非常に選手に優しい日程が組まれている。メジャーに習い、2005年から導入された交流戦の日程を分析すれば、明らかだろう。交流戦日程の組み方には分かりやすい特徴があり、各チームとも地域毎に回っていくのだ。
たとえば、巨人のビジター日程を参照すると、
5月22・23日 対西武(西武ドーム)
5月25・26日 対ロッテ(QVCマリンフィールド)
6月2・3日 対オリックス(京セラドーム)
6月5・6日 対ソフトバンク(ヤフードーム)
6月13・14日 対日本ハム(札幌ドーム)
6月16、17日 対楽天(クリネックススタジアム宮城)
このように、地域の近いチーム毎に3つの組(関東、関西&九州、北海道&東北)に分かれ、組毎に対戦カードが組まれている。これはパ・リーグがセ・リーグと対戦するときも同様である。西武のビジター日程を参照すると、
5月16・17日 対横浜DeNA(横浜スタジアム)
5月19・20日 対中日(ナゴヤドーム)
5月27・28日 対阪神(甲子園)
5月30・31日 対広島(マツダスタジアム)
6月8・9日 対巨人(東京ドーム)
6月10・11日 対ヤクルト(神宮)
となり、この組の間に、ホームゲームが入る。ホーム4連戦、ビジター4連戦を交互に繰り返し、全24試合を終えるのである。
良く考えられた組み方で、たしかに経費削減にもなるし、選手の移動による負担も軽減される。だが一方で、優しい日程に慣れた日本人野手が、メジャー挑戦時に過密日程に戸惑うという側面もあるのかもしれない。