インド北東部ダラムサラのチベット亡命政府関係筋はこのほど、中国がインドに女性スパイを送り、チベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世の尿や血液、毛髪などを採取して、健康状態をチェックしていたことを明らかにした。これについて、中国政府は「論評に値しない」と強く否定している。
中国が送りこんでいるのは主に女性スパイで、ダライ・ラマがインド各地を説法する際、宿泊するホテルやレストランなどの従業員として、ダライ・ラマの身近で、尿や毛髪などを採取。さらに、看護師や医師として病院に勤め、ダライ・ラマの血液を入手しようとしたという。
ダライ・ラマ自身も5月中旬、訪問先のロンドンで、英紙サンデー・テレグラフとの会見で、「中国が私の毒殺を計画し、女性スパイを訓練しているとの情報がある」と明らかにした。それによると、中国の情報機関がチベット族の女性らを訓練し、信者を装って毛髪や衣服に毒を忍ばせて接近し暗殺しようとしているとの内部情報がもたらされたという。
ダライ・ラマの暗殺計画については、インドの地元紙が今年1月、同国西部ムンバイの警察関係者の情報として、中国の情報機関所属の女性スパイら6人がダライ・ラマの健康に関する情報収集とダライ・ラマ暗殺のため、インドへ潜入していると報じていた。
インド警察は今年に入って、ダライ・ラマ周辺の警備を強化している。