23日夜、通夜が営まれる東京・中野区のお寺に、黒いワンピース姿の酒井法子(41)が向かっていた。亡くなったのは、都内で建設業を営むT会長(享年75)。酒井を陰に陽に支えてきた後見人だ。
2009年8月、酒井の夫が覚醒剤所持で逮捕された際、T会長は現場を立ち去った酒井に対し、車と運転手を手配。さらに酒井が身を隠すための別荘やマンションを提供した。その後も、保釈後の記者会見をセッティングしたり、告白本出版の窓口になるほか、生活全般の面倒を見てきた。
酒井とT会長の出会いは、酒井が18歳の時まで遡る。酒井の継母とT会長が親密だったことから、折に触れ相談に乗ってきたという。
昨年10月からC型肝細胞がんで入退院を繰り返してきたT会長は、20日に容体が急変。酒井は中学生の息子を連れて、入院先の病院に駆けつけた。
「ノリちゃん(酒井のこと)はずっとベッドの脇に寄り添って会長を見守っていました。最期を看取ったのですが、ずっとお世話になっていたので相当ショックだったんでしょう。号泣していました」(T会長の親しい知人)
一昨年、青山の億ションを売却した酒井は現在、中野区のマンションで長男と暮らしている。このマンションも、T会長の会社が所有するもの。酒井のためにふたつのフロアをつなげるなど大改装をして提供した。広さは160平米近くになり、周辺の家賃相場でいうと30万円くらいする物件だ。
「会長は、無収入のノリちゃんを気遣い、光熱費を含めて10万円程度しか家賃をもらっていなかった。また、ノリちゃん親子が遠出する際には、車を出したりしていました」(前出・知人)
事件後の酒井は中国の薬物撲滅CMなどに出てはいるものの、日本での復帰の目処は立っていない。
「会長がノリちゃんの面倒を見ていたのは、あくまで継母と親しく、ノリちゃん自身のことも小さい頃から知っていたから。会長の周囲は今までなんにも関与してきてないし、(酒井の面倒を)引き継ぐことは考えられないですね」(前出・知人)
そうなれば、いずれ、引っ越しも必要になるだろう。酒井は通夜の席で芸能界復帰に前向きな発言をしたが、T会長の死去で一刻も急がねばならぬということか。しかし、人気も遠い過去のこと。厳しい道のりが続く。
※週刊ポスト2012年6月8日号