5月8日に行われた囲み取材にて、MBS(毎日放送)の女性記者とバトルを展開した橋下徹・大阪市法。その模様を収めた“ケンカ動画”は大阪市のホームページにアップされ、200万回以上再生されている。
バトルは、橋下氏肝いりの君が代起立斉唱命令について、MBSの女性記者が批判的な姿勢で質問したことで始まった。
橋下:「起立斉唱命令は誰が誰に出したんですか?」
女性記者:「教育長ですか?」
橋下:「教育委員会ですよ! 命令の主体を知らないのに取材に来るな!」
相手の間違いを誘発し、してやったりの橋下氏。その後も、まるで法廷に立つ弁護士のように指を差しながら、「誰が(命令を)出したんですか? ホント、ふざけた取材すんなよ!」「トンチンカンな記者が!」とまくしたてた。
メディアにキレたのは、これだけではない。昨年11月の大阪市長選前には、実父が同和地区出身だったと週刊誌上で暴露されたことに怒り、<こらっバカ文春!>など『バカ』『馬鹿』と40回以上もツイートした。『橋下徹 改革者か壊し屋か──大阪都構想のゆくえ』(中公新書ラクレ刊)著者でジャーナリストの吉富有治さんは、こう解説する。
「橋下氏のケンカには2種類あります。ひとつは、感情的になっちゃって何も考えず怒っているだけのとき。MBSの記者とのケンカはこれですね。そして、もうひとつは冷静に計算してケンカしているとき。週刊誌の同和報道は、バッシングを逆手にとれると判断した。実際に市長選で、『逆境で苦労したから応援したらな』と大阪のおばちゃんたちを味方にしました」
橋下氏が攻撃するのはメディアだけでない。有名人たちもそのターゲットにする。政治・経済に詳しいジャーナリストの須田慎一郎さんは、橋下氏から直接、胸のうちを聞いたことがある。
「『これからの時代、評論家のように高見の見物では物事は前に進まない。安全地帯に身を置いて無責任な批判をする人をぼくは許せない』と強調していました」(須田さん)
※女性セブン2012年6月7日号