男というのは常に見栄を張りたがるもの。でも、それがバレバレの嘘だったら、なんとまあ、みっともないことか…。そんな恥ずかしいバカダンナをもつのが、結婚32年目のNさん(51才)。夫(52才)のウンザリな見栄っ張り話はこんな感じです。
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「これでも昔はけっこうブイブイいわせたんだよね」
「つきあった人数? 妻の前じゃいえっこないだろ~。あとがコワイもんな。ガハハッ」
「男は、女の涙を見ちゃうと別れようっていえないって。少なくてもオレはそうだな」
親戚の集まりで、ビールがグラスで3杯目にさしかかると始まる毎度おなじみ、ダンナの名調子。最近、親戚の仲間入りしたいとこの奥さんが「ほんとなんですか?」と私の顔を覗き込んだら調子にのって「いやいや大丈夫。昔の話だから。ガハハッ」ときた。
つきあった女性は私ひとりっきり、てことは誰よりも私が知ってるわよ。ブルブル震えて、涙まで浮かべていたダンナにいろいろ教えたの、私だもん。で、プロポーズは「おれにとってお前は最初で最後の女だ。一生大切にするから」っていってたんだから。
そのことをいまさら蒸し返すほど私はヤボな女じゃないし、ダンナも私にアレコレと仕込まれたとはいえないからさ。見栄を張ってるんだと聞き流していたんだけどね。それにしてはシツコイ。
で、ダンナの昔の友人に聞いたんだけどダンナがモテたなんて聞いたことないっていうの。そもそも、高3の秋から私とつきあってそのまま結婚してるしね。
※女性セブン2012年6月7日号