『メルマガNEWSポストセブン』では、ビートたけし、櫻井よしこ、森永卓郎、勝谷誠彦、吉田豪、山田美保子といった様々なジャンルで活躍する論客が、毎号書き下ろしで時事批評を展開する。本サイトでは5月25日に配信された16号より「吉田豪の今週のオピニオン」の一部を公開中。再ブレイク中の坂上忍にプロインタビュアーの吉田豪氏が切り込む!
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「ブスと仕事が嫌い」とあっさりと言い切る坂上忍が再ブレイクしている。『笑っていいとも!』では、お昼の生放送にも関わらず過激な発言を連発。スタジオの空気が悪くなっても、慌ててフォローする関根勤の姿にも、坂上本人は一切動じない。なんという強心臓! 子役としてスタートした芸歴は今年で42年。この“大物感”は芸歴だけではなく、本人の“覚悟”が生んだ賜物だった──。
──資料を集めてたら、影響を受けた人の名前の中に石立鉄男さんの名前があって、それでちょっと納得できたんですよ。あの人も異常な変わり者で、なおかつギャンブラーだったじゃないですか。
坂上:そうですよね。何回か競艇に連れてっていただいたこともありますけど、ホントに真っ当な方ですよ。
──あんまり真っ当だっていう話は聞いたことないんですけど(笑)。いろんな人に悪い影響を与えた、みたいなことは何度も聞いてます。
坂上:ただ、やっぱ僕にとっては一番初めに影響された大先輩が宇津井健さんで、次が加山雄三さんで、次が石立さん。宇津井さんはホントに真面目の横綱みたいな方なんで。加山さんは、それでもスマートな遊びがある方で。石立さんは、イカサマでも平気でやるぞ、みたいな(笑)。それがすげえなと思って。
── 一緒にギャンブルやって、いきなりイカサマやられたんでしたっけ?
坂上:そうです。ポーカーだったかな? いくらやっても勝てなくて。それで10円か50円か100円か、どんどん取られてって。それで後から「おまえは俺には勝てないぞ」って言われて。「なんでですか?」って聞いたら、イカサマの種明かしをされて。ひどいこの人って思ったんですけど、でもなんか一番うれしかったですね、そういうつき合い方っていうのが。
──何人か役者さんの取材で石立さんの名前が出たことがあるんですけど、まあロクな話は出ないんですよ(笑)。仕事をサボッてギャンブルに行ったとかの話ばっかりで。
坂上:ああ、そうでしょうね。あんなに時間遅れる人もあんまりお目にかかったことがないから。普通に来なかったりしてたし。
──ボクが衝撃を受けたのは、百瀬博教さんっていう元ヤクザの作家の方がいて、ボク、いろんな人に「芸能人で最強は誰ですか?」って聞いてるんですけど、百瀬さんに聞いたら「それは石立鉄男だよ、間違いない。あいつは本職にも一歩も退かなかった」って言ってて。
坂上:はい。おそらく石立さんは……たとえば表と裏があるならば、裏で強かった人なんで。それこそ将棋も半端じゃないし。本当のいい時代の……だから普通、勝新さんとかあっちまでいっちゃうんですけど、全然石立さんのほうがひどいよ(あっさりと)。
【坂上忍 公演情報】
『SHINOBU’s BRAIN IN THE SOUP HALF2』
作・演出:坂上忍
2012年6月26日(火)~7月8日(日)下北沢「劇」小劇場にて公演。
前売りチケットは絶賛発売中。
詳しくは『坂上忍オフィシャルブログ』をご覧ください。
※メルマガNEWSポストセブン16号