「役人天国」と呼ばれた大阪市は改革を矢継ぎ早に繰り出す橋下徹・市長のもとで大きく変化を遂げている。そうした橋下市政を、昨年11月の選挙で敗北した平松邦夫・前市長はどう見ているのか。
今のところ、橋下氏の「攻撃」は市役所職員や中央政界、あるいは反橋下メディアに向かっているが、今後、これが市民に向かっていくと平松氏は予言してみせる。
「財政状況を見れば、(大阪都構想の)区割り問題などを経て、市民の公共料金が値上がりしていくことは避けられないでしょう。
問題はその時に橋下さんが責任転嫁せず、しわ寄せの理由を市民にきちんと説明するかどうかです。
この半年間のやり方を見れば、市民の生活コストが上がった時に橋下さんは“それも役人が悪いからだ”といって逃げるはずです。ただ、金銭感覚にシビアな大阪市民は、もうそんな催眠術にかかるとは思えません。役人をスケープゴートにする手法には感心しますが、それは限界がある。催眠術から覚めて橋下さんの『虚像と実像の違い』に気づいた時、大阪市民は怒りを爆発させるでしょう。
もう一つ予言しましょか。彼は市長の椅子から逃れるためにあえて暴走していると感じます。最近、私がこのことについて発言したら、“国政進出はない。平松の政治感覚は鈍い”と反論していたが、『知事選には2万%出ない』といって知事になった人の言葉を誰が信じますかねェ(苦笑)」
※週刊ポスト2012年6月8日号