毛筆と墨を用い、白い紙に文字をしたためる。行為はシンプルだが、書かれる文字にはその人柄や想いが表われる。女流書家たちが生みだす美しき一筆は、貴重な人生訓である。
書家・夕凪さん(29)は、18歳で師範免許取得後、早稲田大学商学部を経て銀行に就職する。その後、2008年より実用性のある書道を提唱すべく書家として活動する。プロ野球の千葉ロッテマリーンズ開幕戦、ホーム最終戦セレモニーなどで書道パフォーマンスを披露。また様々なテレビ番組タイトル、看板タイトルの題字なども手がける。2010年より東京・中目黒で書道教室を開く。
今回、読者のための一筆として、『凪』と書いてくれた。
「風がなく波の穏やかな状態、それが凪です。せわしない日々の中にあっても、凪のように穏やかな気持ちや平常心を忘れずにいられますように」(夕凪さん)
撮影■渡辺利博
※週刊ポスト2012年6月8日号