夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回寄せられたのは、ご主人(56歳)が家電メーカー勤務の奥様(54歳)。ご主人のオナラに閉(屁)口しているようです。
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先日も「貴重な音だ、聞いてみろ」と、カセットテープのスイッチを押した主人。「ブワ~ッ!」とものすごい大音響が流れました。「何の音?」「ゾウのオナラだよ。獣舎がガタガタと振動するほどすごい音なんだ。もう一度聞くか?」「いいわよ! 部屋中が臭くなった気分になるからやめて!」
主人は外では我慢するんですが、家の中では居間でも寝室でも、所構わずオナラをしてニオイを撒き散らします。私も子供も「やめて!」というんですけど、家族が顔をしかめるのを見るのが快感みたいなんです。
「元々、部屋は屁屋といって、オナラをする場所というのが語源なんだ。お前たちもどんどんやれ」などと、変な蘊蓄まで語って、まったく悪びれるところがないので困るんです。
ただ、これまでずっと我慢してきた私も、先日の主人の仕打ちには堪忍袋の緒が切れました。ソファでテレビを観ている私の側に寄ってきたかと思うと、クルリとお尻を私の顔面に向け、「ブ~ッ!」。私の怒りにはお構いなしで、逆に得意気な主人。
「何を食べたら最も臭いオナラが出るか、調べたんだよ。サツマイモやゴボウは、繊維質が腸壁を刺激してオナラがよく出る作用があるけど、実はそんなに臭くない。臭いのは肉なんだ。肉に含まれるタンパク質には臭いオナラの元のスカトールやインドールという物質が多く含まれてるんだ。実験成功、やったね!」って、何が「やったね」よ! 今度こんなことしたら即離婚ですから!
※週刊ポスト2012年6月8日号