関西地方にある築約40年の家賃4万円ほどの古びた集合団地。そこで生活保護を受給しながら暮らすある住民が、次長課長・河本準一(37才)の母親の生活保護受給問題についてこう憤る。
「テレビで謝罪会見を見てびっくりしましたよ。そんなに収入があるなら、自分の母親だけでなく、“こちらのお母さん”のこともきちんと面倒見るべきですよ! だってこちらも生活保護を受けているんですから」
この住民がいう“こちらのお母さん”とは、同じ団地に住む河本の妻の母、つまり河本の義母のことだった。
河本は2003年に元アイドルの妻(36才)と結婚。一男一女をもうけて、都内の一等地にある家賃約35万円の3LDKのマンションに暮らしている。妻の母・A子さんは、前述した団地でひとり暮らしをしている。
「A子さんは10年以上前にリウマチを患ったんです。その後、足の手術をしたこともあり、いまでは杖をついてゆっくり歩くことしかできない状態です。A子さんから“リウマチが酷くて働かれへんようになってしまった。それからは生活保護をもろてる”って直接聞いたことがあります」(別の近所住民)
そしていま現在も、A子さんの生活保護受給は続いている。
Aさんは、資産も収入もなく、また働くこともできない状態にあり、生活保護を受給できる条件を満たしている。しかし、ここで問題となるのが、扶養してくれる親族の有無だ。民法第877条第1項では<直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある>と規定され、A子さんの場合でいえば、河本の妻及びそのきょうだいが直系血族であるため、扶養義務が伴う。
さらに第2項には、<家庭裁判所は、特別な事情があるときは、前項に規定する場合の外、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる>と記されている。条文にいう「三親等内の親族」には叔父や叔母、曾祖父や孫のほか、子の配偶者も含まれる。一方、「特別な事情」とは、親を扶養すべき子供の収入が少なく、かつ他に扶養できる人がいないなどのケースを指す。
これを河本の義母・A子さんのケースにあてはめると、娘である河本の妻に母を扶養するだけの収入がなく、かつ他に頼れるきょうだいや祖父母がいない場合、娘の配偶者である河本に扶養義務が生じる可能性がある。
※女性セブン2012年6月14日号