中国共産党の最高指導部入りを有望視されつつも、今年4月に失脚した薄熙来・前重慶市党委書記兼党政治局員は1000億円以上の不正蓄財をしていたとの疑惑がもたれているが、女性関係も派手で、ビジネスパートナーだった実業家から、超有名女優や歌手、テレビアナウンサーなど100人以上の女性を紹介され、「酒池肉林の毎日だった」と中国では報じられている。
中国のニュースウェブサイト「博訊( ボシュン)」によると、薄氏に女性を紹介していたのは大連の実徳集団会長の徐明氏で、薄氏の相手をした女性のなかには、国際派女優のチャン・ツィイー(章子怡)さんも含まれている。
これは除明氏が重慶事件の関連で逮捕され、取調中に白状したという。
それによると、薄氏とチャンさんは2007年から2011年までの間に、北京の国際空港近くのホテルや北京郊外の西山付近の徐氏の別荘などで、10回以上に渡って密会。徐氏は最初に、チャンさんに1000万元(約1億3000万円)を支払ったという。徐氏は自身もチャンさんと関係を持ったほか、薄氏以外の党・政府高官にもチャンさんを紹介。徐氏がチャンさんに渡した額は全部で7億元(約91億円)にも上るという。
報道によれば、この党・政府高官の1人は薄氏と極めて親しく、公安や司法部門を担当する周永康・政治局常務委員で、「28回も女性を紹介された」と伝えられる。薄氏は重慶市トップ時代、マフィア撲滅運動で数千人の容疑者を逮捕したとされるが、このようなことが可能になったのも、政法部門を一手に握っている周氏の支援があったからだとみられる。
渦中のチャンさんは中国当局から取り調べを受けており、中国からの出国を禁止されているという。これに対し、チャンさん側はこうした報道を否定、法的措置を検討している。
薄氏はチャンさんのほかにも、徐氏の仲介で、女優やテレビキャスター、歌手など、なかには「だれもが知っている有名人」ら100人以上の女性と関係しており、金銭処理はすべて徐氏が行なっていたという。
こうした状況で、薄氏と夫人の谷開来氏との関係は完全に冷めており、谷氏も英国人実業家ネール・ヘイウッド氏やフランス人実業家との不倫関係を疑われている。ヘイウッド氏は薄ファミリーの不正蓄財の海外移送、マネーロンダリングを手伝っていながら、金銭的な問題もからんで谷氏に殺害されたとされるが、谷氏との個人的怨恨も殺人事件に巻き込まれた原因の一つと伝えられている。