人間の適正睡眠時間は7時間といわれているが、日本人女性の半数近くが6時間以下の睡眠で過ごしているといわれ、とりわけ40代の睡眠不足は顕著だという。
“そうはいっても、朝も夜もやることがあって睡眠時間を増やせない!”という人達に睡眠不足や不眠を乗り切る方法としてオススメなのが、“チョイ寝”なのだ。睡眠研究の第一人者・白川修一郎さんに詳しく話を聞いてみた。
「チョイ寝とは横にならず座った姿勢で短時間寝ることです。座る場所が椅子であっても床であっても、頭を上げたまま首を固定してください。血圧を下げにくい姿勢にするためですが、横になって眠るのと脳のリフレッシュ効果に差はほとんどありません。してほしくないのは、頭を後ろで支えずにガクッと前に下げた姿勢。壁などを使い、必ず頭は後方で支え、首筋を痛めないようにしてください」
チョイ寝に効果的な時間帯は、生体リズムによっていちばん眠気に支配される12~15時。質的には夜の睡眠に劣るものの、15分のチョイ寝で3~4時間は眠気の予防ができ、一時的に睡眠不足を解消できる。1日に2、3回とってもいいが、チョイ寝の効果が持続してしまい、いつも寝る時間に眠れなくなってしまうので、17時以降の時間帯は避けたほうがいい。体を休めるためでなく、あくまでも脳を休めるためのチョイ寝なのだ。
「なぜ短い昼寝がいいかというと、深い睡眠になりにくいからです。深い睡眠は、夜の睡眠に影響が出ます。しかも深い睡眠から目覚めると頭が朦朧としますし、不安傾向も強くなります。
チョイ寝をする前にはコーヒーなどのカフェイン含有飲料を飲んでおくといいですね。カフェインは飲んでから30分後くらいに効いてきますから、チョイ寝から目覚めたころにカフェインの効果が出て、さらにすっきりします。同時に明るい所に出て行って体を少し動かすと、効果がより長く続くことがわかっています」(白川さん)
※女性セブン2012年6月14日号