1位通過でロンドンへ――女子バレー日本代表「眞鍋ジャパン」がそう意気込んで臨んだ世界最終予選の戦績は4勝3敗の4位。タイをセット率で辛くも上回って五輪進出を決めるという、冷や汗ものの戦いぶりだった。
“ハラハラドキドキの五輪切符”という展開が幸いしたのか、視聴率は最終戦(対セルビア)で23.3%を記録。これには中継したフジテレビはホクホク顔だっただろうが、五輪の話となると顔が曇る。
「五輪でメダルが獲れるほどの強さじゃないのはもともとわかっていたが、問題はそこじゃないんです……」(テレビ局関係者)
日本選手の活躍が期待される柔道や男子体操、水泳、女子マラソンなどと並んで、女子バレーは五輪中継の「キラーコンテンツ」とされるが、アテネ(2004年)、北京ともに5位と好成績を残せていない。それでも各局が中継をしたがる理由は、
「女子バレーには美形選手が多く、海外ではモデルを兼業している選手も少なくない。それに選手の顔を大写しできるカメラワークが容易なので、“アイドルアスリート”を演出しやすい。そんな選手が1人でもいればチームが弱くても視聴率を稼げるんです」(同前)
なんだとか。
アテネでは当時20歳の栗原恵が「プリンセス・メグ」として話題になり、北京では主力に成長した木村沙織が「ミラクル・サオリン」として注目された。古くはソウル五輪(1988年)の大林素子やバルセロナ五輪(1992年)の山内美加らが、この“系譜”に属する。
ところが、現在の眞鍋ジャパンには「アイドル候補」が見当たらないのだという。
「最終予選直前に、新選出の岩坂名奈と新鍋理沙の21歳コンビを“ナナリサ”として各メディアがフィーチャーしたが、レギュラーになれない岩坂は出場機会が限られ、新鍋は守備が売りの選手なので目立つ場面が少ない。かといって、25歳で副キャプテン格の木村を今さら“サオリン”と呼ぶのもいかがなものか(笑い)。体操の田中理恵みたいな選手を代表に入れてくれ、というのが我々の本音ですよ」(スポーツ紙記者)
※週刊ポスト2012年6月15日号