「最近の若い女子アナたちには個性が感じられず、見分けすらつかない」――。そんな女子アナファンも実は少なくない。1980~1990年代のブームを牽引してきた女子アナたちには、今の若手アイドルアナにはない個性と「華」があった。
彼女たちは年齢を重ね、女子アナの「賞味期限」とされる30歳をとうに過ぎ、テレビ露出は少なくなった。しかし今でも各局の重鎮アナとして、あるいはフリーとして、熟女ならではの妖艶な輝きを放ち続けている。
中には若手アナ以上の存在感で局内に君臨している大物も少なくない。代表格がフジテレビの阿部知代アナ(48)だろう。フジ局員たちは「アベチヨさんこそ女子アナの鑑」と口を揃える。
アナウンス室デスク担当部長でFNS用語委員という堅い肩書きを持つ一方で、歌舞伎や落語にも造詣が深い。立川談春はじめ、立川一門の落語会にもよく顔を見せる。俳句の会に所属、ワインの知識はプロをうならせる。
あるファッション関係者がいう。
「色々なパーティ会場でアベチヨさんを見かけるが、そのファッションセンスは、我々を驚愕させるほどアバンギャルドで、なおかつ似合っている。ある時は太ももの付け根までスリットの入ったチャイナドレス、ある時は胸元のパックリ開いたワンピースで現われた。2006年に後輩のチノパン(千野志麻)の結婚式にバストがこぼれそうなセクシードレスで出席し話題になったが、僕らにいわせればいつものこと(笑い)」
そのサービス精神はテレビ画面でも発揮される。バラエティ番組『ネプリーグ』に出演した時は「ノーブラじゃないの?」と話題になり、グルメ番組のリポーターをすれば「胸元がチラチラして料理に集中できない」とクレームが入った。
あるフジテレビ社員によれば「泊まり勤務でジャージ姿を目撃されたときのほうが、セクシードレスより恥ずかしそうだった」とか。
数々の伝説を持つ阿部アナだが、その「高嶺の花」ぶりゆえか今も独身。「酔うとよく恋の話題になる」(フジ関係者)という。ゴールインする日は来るのか。
※週刊ポスト2012年6月15日号