メジャー昇格後の最初の試合で本塁打を放ったタンパベイ・レイズの松井秀喜(37)だが、松井が置かれた立場は決して安定したものではないという。米誌コラムニストは、
「マツイはあくまでもジェニングスのスペア。彼が戻ってきたら、DHを務めるスコットの控えという扱いになる」
と冷めた目で語り、驚きの“起用法”を予測する。
「レイズが所属するア・リーグ東地区は、戦力的に優位と見られていたヤンキースとレッドソックスが下位に沈んでおり、終盤まで大混戦が続くだろう。勝ち抜くには強固なブルペンが必要だ。左打者が豊富なレイズはマツイを放出して、リリーフ獲得に動く可能性は十分にある。その時のためにマドン監督は6月、7月はマツイを多く起用してトレード要員としての価値を高めようとしている」
驚くことにトレード先として有力視されているのが、松井が一昨年に所属していたエンゼルスだという。
エ軍は今季、「現役最強打者」といわれるプホルスを獲得してリーグ優勝を目指したものの、ダルビッシュ擁するレンジャーズに差をつけられている。そのエンゼルスの泣き所が左の強打者なのだ。
「エ軍としても90万ドルで松井を買い戻せるなら、喜んで引き受けるだろう(2010年在籍時の年俸は650万ドル)。マドン監督がかつてベンチコーチを務めた球団でもあり、エ軍のソーシア監督とは師弟関係にある。そのルートでトレード話が浮上するのではないか」(前出コラムニスト)
※週刊ポスト2012年6月15日号