例年にも増して息詰まる接戦が相次いで緊張が限界に達したためか、プロ野球の交流戦が折り返しを迎えたこのタイミングで、冷静にチームの操縦桿を握るべき指揮官たちに「異変」が生じている。周囲が「監督、やめてください!」と羽交い締めにしても、もはや制御不能――。ここでは巨人・原辰徳監督の異変をみてみよう。
開幕時の不調が嘘のように勝ち星を重ねる巨人。采配でも「原カラー」が色濃くなっている。村田を補強した大型打線に、最近はスモールベースボールをさせるという荒技がいたく気に入ったようだ。その理由は「打線任せにしてはいけないと考えた」から。5月以降、エンドランやスクイズといった采配が多いのはこのためだ。
「かつて野村克也氏がいっていた、“スター選手監督は目立ちたいから、選手交代、打順変更、バント・スクイズをやりたがる”という言葉を地でいっている。小山、星野ら若手をゲリラ的に登板させたのも、“オレはチームをよく見ている”とアピールしたいためでしょう」(ベテランスポーツジャーナリスト)
ただし、「さすがにやりすぎだろう」とチーム内から不評を買ったのは、「世界に通用する野球を」をスローガンに、守備での“公用語”を英語に統一させたこと。内野フライの処理は「オーライ!」ではなく「I got it!」、「ファースト、セカンド」ではなく「ワン、ツー」といわねばならない。
だが、今季の巨人内野陣の失策数は、リーグワースト2位の21だ(5月30日現在)。
「岡崎ヘッドコーチが、失策の理由について“声の連携が問題だ”と暴露しています」(巨人番記者)
※週刊ポスト2012年6月15日号