最近のAV業界は女優の供給過多状態で、日当3万円なんていうAV嬢も珍しくない。人前でセックスして、その姿が公開されることを考えるとあまりに安い気がするが、応募者は後をたたない。
『職業としてのAV女優』著者の中村淳彦氏が現状を語る。
「メガバンクに就職したにもかかわらず、1年で会社を辞めて、AV女優になった子がいます。『自分が自分らしく生きるためにこの道を選んだ』といっていました。彼女にとって裸になってセックスを売ることは、なんらやましいことではなく、金融業界からAV業界への“転職”でしかないんです。
看護師として大学病院に勤務していた26歳の女性も、看護師の職を捨て、AV女優の道を選びました。『思い切ったことがしたかった。残業漬けの毎日に比べて今の仕事はなにもかもが楽しい』と話しています」
そして、女たちにとっては、金銭面以外でも魅力ある仕事なのだという。
「お金だけではなく、プロの男優、プロの監督に“守られて”セックスを楽しみたい、という純粋な好奇心を持ってこの業界に入ってくる女の子も増えた。ハプニングバーなどで知らない人とセックスをしてトラブルになるよりも、安全だと思っているのでしょう」(AVプロダクション社員)
以前は“親バレ”などを警戒して誰にも仕事のことを話さないものだった。しかし、最近の特徴は、親にも彼氏にも自分がAV女優であることを隠さない女性が多いことだという。
「彼女たちの中では、AV女優は前向きな選択肢のひとつになっている。不景気の中で育って、低所得やリストラされる大人、就職難で就職が決まらない彼氏よりも、よっぽど稼いでいる、社会に貢献していると自負していますよ」(前出・中村氏)
※週刊ポスト2012年6月15日号