女子ゴルフ界待望の新星が現われた。 ヨネックスレディス(5月25~27日)で、ウエイティングからあわや優勝(最終的には5位)という快挙を見せた青木瀬令奈(19)である。
「ポニーテールとミニスカが似合う色気たっぷりの選手。好きなクラブはウエッジとパターで、若いながらもグリーン周りを得意とする実力派です。翌週の試合も推薦での出場が決まり、今は新ヒロインとして注目されています。すでにCMのオファーも舞い込んでいるようです」(ゴルフ誌記者)
その実力は折り紙付きで、ジュニア時代にも数々の大会で優勝し、2007年に発足した日本ゴルフ協会(JGA。アマチュアゴルフの統括組織)の“チーム・ジャパン・ジュニア”のメンバーに選ばれている。
古閑美保が引退し、新ヒロインとして期待された斉藤愛璃も成績がパッとしない今、女子ゴルフ界にとっては諸手を挙げて歓迎したい逸材のはずだ。しかし、あるLPGA(日本女子プロゴルフ協会)関係者は苦い表情を浮かべる。
「彼女は高校時代、当時の代表選手仲間と海外遠征に行った際に、日本高等学校ゴルフ連盟から無期限出場停止処分を受けています。理由は、大会中や合宿中には男女が同じ部屋にいてはならないという連盟のルールを破るなど、品位に欠ける行動があったからだといわれています」
確かに青木は“問題行動”があったとされる2009年以降、一時アマゴルフ界から姿を消していた。
だが、青木は腐らなかった。独学で昨年のプロテストに合格し、QT(ジャパンゴルフツアークォリファイングトーナメント)を受験して這い上がってきた。
別のLPGA関係者はこう目を細める。
「本人はよく反省したようだし、このような逆境にありながら、プロ4試合目にして7位タイに食い込むなど、将来も有望だ。若気の至りをあれこれいって、秀でた才能の目を摘むのは、女子ゴルフ界にとって良くない」
ゴルフ評論家・菅野徳雄氏も口を揃える。
「正直、もっと凄い過去を持つ選手もたくさんいる(笑い)。女子ゴルフ界の上層部は何かと品位や振る舞いに注文をつけたがる傾向があるが、弱かったら話にならない。それぐらい精神的に強い方が伸びていくんじゃないでしょうか」
※週刊ポスト2012年6月15日号