学生時代、何度も通った大学近くの定食屋。親父やお袋のようにやさしく、ときに厳しく接してくれた店主たちは、今も変わらず現役だ。ここでは、立教大学・池袋キャンパス近くの『セントポールの隣り』を紹介しよう。
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「5年前、卒業して10年経つテニスサークルのカップルが、『学生時代の思い出の場所だから』と、店で結婚式を挙げました。人生最大の晴れ舞台の会場に選んでもらえるなんて、夢にも思っていませんでした。
緊張して結婚式前は神社に成功を祈願しに行きましたよ(笑い)。伊勢えびや近江牛を手配し、ウエディングケーキも私が作ったんです」と、嬉しそうに語るのは、創業時から働き続けている店長・榎本武さん。
そもそもこの店は、昭和31年立教大卒で水泳部OBの宮坂亨さんが、後輩たちに安くて旨いものを食べさせたいと、昭和53年にオープン。以来、客の8割以上が立教大生だ。
メニューは定番以外にチキンカツにすりおろした山いもをかけた「白いカツ丼」、東日本大震災後に豚キムチと温泉卵がのる「元気丼」など、新たに考案して変化もするが、店内はOBたちが立ち寄ったときに懐かしんでもらえるよう、33年変わっていない。
■セントポールの隣り
【住所】東京都豊島区西池袋3-33-17 東武サンライトマンション 味の十番街
【営業時間】11~22時半(日曜・祝日は17時まで)
【定休日】不定休
撮影■井坂英彰
※週刊ポスト2012年6月15日号