「第4回選抜総選挙」も大いに盛り上がったAKB48。中高生のファンが多いのはもちろんだが、中高年の男性ファンも少なくない。どうしてそんなに年齢のかけ離れたアイドルに夢中になれるのか──作家の湯山玲子さんはこう分析する。
「この間、80才近いうちの父がテレビを見ていて“AKB48ってかわいいなぁ”といったので驚きましたよ。かわいくて、若い娘たちが制服を着て集団でいることに、すべての日本人男性の心を打つ黄金律がある。
雑誌で水着姿になったりして、グラドル好きの男性の心もつかんでいる。選挙に関しての一喜一憂など、“おれが応援しなきゃ、この娘はダメだ”と感情移入しやすい物語の宝庫だというところも魅力なんでしょう」
そして、中年男性のファン心理をコラムニストの石原壮一郎さんはこう分析する。
「中には本気で入れあげている人もいるでしょうけれど、大半は、“AKB48を好き”な自分を楽しんでいるんじゃないかな。若くてかわいい子が集団でいる中で、この子が好きだとかあの子に投票しようとか、現実味のないファンタジーの世界としてゲーム的に遊んでいるんです」
総選挙の直前、平日にAKB48劇場(東京・秋葉原)に来ていた男性(46才・会社員)は、AKB48ファンであることの醍醐味をこう語ってくれた。
「日曜日に握手会があるんですけど、その前はもうルンルン気分ですよね。妻に浮気を怪しまれたこともありますけど、ファンであることは隠してるので、“いや、別に~”ってごまかして。当日はその日のために買った服を着て、終わった後は仲間と反省会ですよ。どんな会話をしたとか名前を呼んでもらえたとか、そんな話で盛り上がって、意気揚々と家に帰るんですから、まぁ浮気を疑われても仕方ないかな(苦笑)」
そんなファン同士の交流や、一緒に熱くなる“部活ノリ”がAKB48の魅力だという男性は多い。広告プランナーのY夫さん(38才)もそのひとりだ。
「やっぱりキーワードは“一生懸命”じゃないですか。AKBとかSKEとか、チームごとの連帯感は見ていてグッとくるし、女の子たちがしのぎを削って頑張る姿は、格闘技とかスポーツの世界にも近いものがあって、ついつい応援しているぼくらも感情移入しちゃいますよね」(Y夫さん)
※女性セブン2012年6月21日号