6月5日、九代目市川中車を襲名した香川照之(46才)が、ついに歌舞伎役者としてのスタートを切った。40才を超えて歌舞伎に挑戦するためにそれまで俳優として積み重ねた名声をかなぐり捨てるように“0からのスタート”を強調してきた香川だが、裏ではしたたかだった。昨年末、ある布石の一手を打っていたのだ。
「実は、香川さんは会社を設立して、猿翁さんとふたりで代表取締役社長に就任しました。そこに澤瀉屋一門のほとんどを所属させたんです」(歌舞伎関係者)
ちなみに、この会社に市川猿之助(二代目亀治郎・36才)は所属していない。こうして香川は、澤瀉屋の実権を握ることに成功したという。
「香川さんは“自分は猿翁の後見人だ”といい、一門を牛耳っているんです。芸事一筋でやってきた猿翁さんはお金などには無頓着ですから、香川さんが金銭面はもちろんのこと、会社のすべてを管理しているんです。お弟子さんたちは“猿翁”の名前を出せば口出しできませんから、香川さんはやりたい放題なんです…」(前出・歌舞伎関係者)
そして社長・香川は歌舞伎の世界の古いしきたりを一掃しようとしている。
「例えば、誰かが公演をするならお花を出したり、役者の誰かが病気をして入院したりしたら、お見舞い金を出したりするんですが、彼は“お父さん、無駄なものは省きましょう”といって、そういうことを見直そうとしているんです。また昔からいたスタッフもどんどんクビにしていて…。これには、“これまで猿翁さんが長年にわたり培ってきた信用や名声に泥を塗っている”と、香川さんを非難する声が続々あがっているんです」(別の歌舞伎関係者)
すべては息子に“猿之助”の名跡を継がせるためとはいえ、こんな四面楚歌な状態で今後、歌舞伎界でやっていけるのだろうか…。
※女性セブン2012年6月21日号