5月31日、尾崎紀世彦さん(享年69)が肝臓がんなどのために亡くなった。プライベートでは、1973年にアメリカ国籍の女性と結婚して長男と長女をもうけたが、1991年に離婚。その後、日本人女性と再婚し、3人目の子供に恵まれたが、こちらも2006年に離婚した。
そんな尾崎さんを献身的に看病し続けたのが、21年前に別れた前々妻と長男だった。尾崎さんの兄・彰彦さんがいう。
「昨年の春に、紀世彦のマネジャーから末期ということを知らされ、前々妻に伝えました。そしたら、“私は別れた人間ですが、子供の父親であるので、どうか会わせてください”とお願いされたんです」
それから前々妻は病院に通い始め、容体が悪くなったという今春以降は、昼間の仕事を終えると、毎日顔を出した。さらにハワイで暮らしていた長男も仕事を休み、病室に泊まり込んで面倒を見ていたという。
「前々妻が、食事を口元に運ぶと、紀世彦は“それは食いたくない。あっちのがいい”なんていってました。子供が母親に甘えるような感じでしたよ」(彰彦さん)
亡くなる数日前、普段は素直な気持ちを口に出さないという尾崎さんが、前々妻に感謝の言葉を伝えたという。
「お前がいてくれて、本当によかった。ありがとう…」
そういうと、元夫婦は抱き合って大粒の涙を流した。
※女性セブン2012年6月21日号