女性問題が原因で「無期限の登録抹消」を言い渡された埼玉西武ライオンズの涌井秀章(25)には、スキャンダル以上に気になることがある。
「太ったなァ」と感じていたファンはいただろうが、高校時代と比べると一目瞭然。一部のファンからは横綱・白鵬になぞらえ、「涌鵬」と揶揄される始末である。 その分析が興味深い。「横浜高校出身者はプロに入ると太る」というのだ。
いわれてみれば涌井だけでなく、レッドソックスの松坂大輔(31)、ロッテの成瀬善久(26)。野手では横浜の筒香嘉智(20)がいる(もともと太めだったが)。
さらにさかのぼれば、「甲子園のアイドル」と呼ばれた愛甲猛(元ロッテなど)もプロ入り後はポッチャリ選手に変身していた。 その理由は何か。
「横高野球部は選手をとにかく走らせる。タイム制限つきのグラウンド走をはじめとして、下半身を徹底的に鍛えこまれる。横高出身の選手は、“プロの練習の方が楽”と口を揃えていた」(セ球団スカウト)
ノック一つにしても、元野球部長の小倉清一郎氏が、ある雑誌のインタビューでこう語っている。
「50メートルくらいダッシュさせて捕らせるノックがある。50本捕るまでやるが、捕れるかどうかギリギリのところに打つので、4、5本に1本の割合でしか捕れない。つまり選手は50メートルダッシュを約250本走ることになる。松坂は4時間ぐらいかけてやっていた」
が、食事面の管理は比較的自由だという。
「帝京の三合飯に代表されるように、強豪校では食事指導に力を入れ、最近はサプリメントやプロテインなどの補助食摂取に取り組む学校も多いが、横高ではそうした話を聞かない。選手が保土ヶ谷球場の売店でカップ麺を食べているのを見かけることもある。そのためか涌井も松坂も成瀬も高校時代から間食好きで有名」(スポーツジャーナリスト)
ちなみに涌井には、同僚の帆足(現ソフトバンク)から「キャンプ中に鳩サブレーばかり食っていた」と暴露された逸話もある。
つまり、高校時代は激しいトレーニングのおかげで消費カロリーも多く、太らずに済んだが、その食生活のまま“楽”なプロに入った結果、ブクブク肥えたのではないかというわけ。
仮説を確かめるべく、横浜高校に聞いたが、担当者不在で回答は得られなかった。
※週刊ポスト2012年6月20日号