年収数千万円とされるお笑いコンビ次長課長・河本準一(37)と、キングコング・梶原雄太(31)の母親が生活保護を受けていたことから騒ぎとなっている「生活保護受給問題」。
河本の件が疑問視されたのは、「高収入」があり、かつ「親子関係が良好」であるにもかかわらず、扶養義務を果たしていなかったという点からきている。
河本の場合、母が病気になって働けなくなったのは14~15年前のこと。当時、まだ売れていなかった河本は年収100万円にも満たなかったため、母は生活保護を申請、受理された。問題は売れっ子になり、年収も数千万円に増えた後のことだ。福祉事務所からの「仕送りを増額できないか」との要請に対し、河本は「これだけしか出せません」と自己申告した額(月4万円以下とみられる)を仕送りするにとどまり、母は差額の10万円程度を受け取り続けていた。
梶原の場合、母は祖母の介護をしながら働いていたが、勤務先が倒産。その上に足を骨折し、働き口がなくなってしまった。そこで昨年3月に母が生活保護を申請、受給者となった。しかし梶原は毎月のローン返済費用が40万円というマンションに母親を住まわせていたことが明らかになり、疑問の声が上がった。
「どんな場合でも、子供は親の面倒を見るべきではないでしょうか」というのは、作家のさかもと未明さん。
さかもとさんは、国が打ち出した「扶養義務の強化」に賛成の立場だ。さかもとさん自身、母親との仲は「悪い」というが、それでも「母に生活保護は絶対受けさせない」と断言する。
「“親が子供の面倒を見る”“子供が老いた親の面倒を見る”のは、人間として当然のこと。私は親と仲が悪いんですが、親が倒れて寝たきりになったり、生活費にも困るようになったら、“国の制度でやってくれ。私は知らない”とはいえません。どんなに親子の仲が悪くても、嫌でも、子供なら自分ができることはするべきだと思います。“もらえるものはもらっとけ”というのは恥ずべきことです」(さかもとさん)
一方、「世の中の子供に親の扶養義務を一律に課そうとするのはおかしい」という意見の人もいる。社会評論家の小沢遼子さんは、河本、梶原のケースに理解を示しつつ、こういう。
「例えば収入が不安定な職業の場合、事故や病気で仕事ができなくなったら、家族全員が共倒れになってしまう危険性がある。平均的な収入のサラリーマンでも、親を養うほど仕送りしようと思ったら、家計の何かを我慢しなければならなくなる。それはおかしいでしょう」(小沢さん)
※女性セブン2012年6月21日号