『メルマガNEWSポストセブン』では、ビートたけし、櫻井よしこ、森永卓郎、勝谷誠彦、吉田豪、山田美保子といった様々なジャンルで活躍する論客が、毎号書き下ろしで時事批評を展開する。6月8日に配信の最新号18号より「吉田豪の今週のオピニオン」の一部を公開する。
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「ブスと仕事が嫌い」とあっさりと言い切る坂上忍が再ブレイクしている。子役としてスタートした芸歴は今年で42年。芸能界の酸いも甘いも知り尽くした坂上が、勝新太郎の素顔を明かす。
坂上:演劇論とか語られるのが嫌いなんです。だらしなくいたいんですよね。だって基本はやっぱりほかの職業に就けなかったから役者やってなきゃいけないんじゃないの? っていう。「しょせん」の商売じゃないといけないって言ったらアレかもしれないですけど、許される範囲でふしだらでいたいっていうのはありますよね。
──世の中ちょっと厳しくなりすぎてる気がするんで。ボク、市川海老蔵さんを取材したときも、「できればあまり反省しすぎないでほしいです」って言ってきたぐらいなんで。
坂上:うん、しないと思いますよ。それぐらいじゃないと、やっぱり。叩かれてなんぼ、みたいなところもありますよね。
──そうなんですよ。話を聞いたら勝新太郎さんに憧れてるって言ってたんで、なるほどっていう。
坂上:ああ、確実にヤバいですね。
──いまの時代にそっちを目指すだけで応援したくなりますよ。問題は、勝新さんとは酒癖が全然違うことで。
坂上:勝新さんは全然横柄じゃなかったですからね。温かい、明るい飲み会だったから。捕まった直後ぐらいに関西のほうでとある結婚式、あんまり大きな声じゃ言えない結婚式があって 。
──ああ、はいはい(笑)。
坂上:僕らのテーブルが勝新さん、太地喜和子さん、島田陽子さん、火野正平さん、なぜか俺で。お祝いの言葉だったり歌を歌う人がいて、トリが勝新さんで『マイウェイ』を歌ったんですよ。もうシビれちゃって。それも新郎新婦がお色直しで出てくるところから白いスーツで出てきちゃって(笑)。これディナーショーじゃんと思いながら。だけどやっぱ、包み込むというか、受け入れてくれる度量の広さみたいなものがムンムンしてるんで、甘えやすいんですよね。
そのときも式が始まる前に勝さんの控室にご挨拶に行って。あの事件の後だから「ご無沙汰してます」って言いにいかなきゃって思って。それでドアが開いたら、勝さんが浴衣の裾を帯のところに入れて、グンゼの白いパンツはいてタカタカタカッて出てきて、「おまえなあ、あれ入ってたんだよ」って。コカインの話をされて(笑)。
──ダハハハハ! いきなりそれ!
坂上:「入ってたんだもん、しょうがねえよ」って。「いや、僕聞いてない聞いてない!」みたいな。なんてチャーミングな人なんだろうっていう。それでそのときにみんな連れてっていただいて。その2週間後ぐらいに太地さんが亡くなりましたから。あの頃は、おもろい人がいましたね。
【坂上忍 公演情報】
『SHINOBU’s BRAIN IN THE SOUP HALF2』
作・演出:坂上忍
2012年6月26日(火)~7月8日(日)下北沢「劇」小劇場にて公演。
前売りチケットは絶賛発売中。
詳しくは『坂上忍オフィシャルブログ』をご覧ください。
※メルマガNEWSポストセブン18号