プロ野球の日本生命セ・パ交流戦も終盤に入ったが、西武ライオンズの調子が上がらない。シーズン前は優勝候補にも挙げられていたが、未だに最下位(6月6日現在。以下、記録は同)とファンの期待を裏切っている。
だが、ホームゲームの平均観客動員数を見ると、パ・リーグ3位の2万1367人。西武ドームは3万3921人収容なので、席の62.9%が埋まっている計算になる。
2位の日本ハムは1試合平均2万6133人。札幌ドームは4万2062人収容なので、席の約62.1%が埋まっているが、率ではわずかながら西武のほうが上回っているのだ(ちなみに、1位のソフトバンクは3万6723人収容のヤフードームで、平均観客動員3万2183人)。
プロ野球が観客の実数発表に切り替えた2005年、西武は平均観客動員数1万6223人で、5位。最下位は楽天で1万4369人だったが、当時のフルキャスト宮城の収容人数は2万人。そう考えると、西武の観客動員数の復調ぶりには驚かされる。その背景をスポーツ紙野球記者が解説する。
「2006年オフ、ポスティングによる松坂大輔のメジャー移籍で獲得した60億円で、球場を改装し、ファンクラブを充実させたことが大きいですね。球場周辺や球場内に多くの出店が並び、野球以外の楽しみも増えました。
『来るとなんだか楽しい雰囲気になる』ことの演出が上手くいったのだと思います。改装以前の西武ドームは、キレイとは言い難かったですが、トイレなどあらゆる所がキレイになりました。その他、企画チケットの充実など、ファン向けの企画も奏効しているのではないかと思います」
企画チケットなどが充実したことも大きいです。『埼玉県&西武沿線感謝デー』などでは、通常3000円の内野指定席Bが、該当地域在住の人は1200円で買えますからね」