株主総会シーズン真っただ中。東電、オリンパス、大王製紙などが注目されているが、ノーマークから話題を集めたのが野村ホールディングスである。6月27日に予定される株主総会に提出される株主提案が「面白すぎる」と評判なのだ。
今回の株主総会には、一人の株主から何と100本もの提案があり、そのうち総会に付議する要件を満たす18議案が、株主総会の「招集ご通知」に記載されている。
〈当社の日本国内における略称は「YHD」と表記し、「ワイエイチデイ」と呼称する。営業マンは初対面の人に自己紹介をする際に必ず「野菜、ヘルシー、ダイエットと覚えてください」と前置きすることとし、その旨を定款に定める〉
〈取締役の社内での呼称は「クリスタル役」とし、代表取締役社長は代表クリスタル役社長と呼ぶ旨定款に定める〉
ただのジョークではないようだ。次の提案には株主としての叱咤の気持ちが表われている。
〈貴社のオフィス内の便器はすべて和式とし、足腰を鍛練し、株価四桁を目指して日々ふんばる旨定款に明記するものとする〉
理由もちゃんとある。
〈貴社はいままさに破綻寸前である。別の表現をすれば今が「ふんばりどき」である〉
野村関係者は、株主提案を受けた印象をこういう。
「最初は『困ったな~』という感じとともに、社内が爆笑ムードにもなりかけましたが、弁護士と相談していくなかで、すぐに笑っている場合ではなくなった。どんな提案でも、これは会社法で認められた株主の権利なのですから……。当社商号を『野菜ホールディングス』へ変更する提案などはさすがに除外させていただきましたが、なかには比較的真面目な提案もありましたし……」
※週刊ポスト2012年6月22日号