4月の入社から2か月経ち、そろそろ研修を終え、各部署に新人が入ってきたころ。「新入社員の考え方がわからん!」と嘆く“昭和世代”の上司も多いのではないだろうか。
大学新卒の彼らは中学1年時から週休2日制のもとで、育ってきた本格的なゆとり世代なのである。会社も学校も週休1日だった昭和時代を知る人間からすれば、「子供のころから週休2日なんて甘え過ぎだ!」と憤ってしまうかもしれない。
そうしたなか、“昭和脳”と完全に時代背景の異なる“ゆとり世代”を上手に扱い、業績を伸ばしている美人経営者がいる。『居酒屋 つばき』の社長でありながら、みずからもホールに立ち、接客をしている大堀ユリエさん(25)だ。『昭和脳上司がゆとり世代部下を働かせる方法77』(光文社)を上梓した彼女は、過去に数十人の“ゆとり世代”と呼ばれるスタッフと接してきた。
世間より一足先に、現場で“ゆとり世代”という難題に直面しながらも、上手に使いながらビジネスをしてきた経験を持つ彼女に、ゆとり世代対策法について聞いた。
「今は、『目立つ活躍をした人しか評価しない』という世の中になっていると思うんですね。昭和62年生まれの私がいうのは変かもしれませんが、昭和のころはもっと『縁の下の力持ち』が正当な評価を受けた時代だったはずです。現代は『成果主義』が注目されますが、成果を出した人の裏で、支えている『縁の下の力持ち』がいるはず。その人たちをキチンと評価すべきだと思うのです。
私の店でいえば、ホールスタッフがどうしても花形に見えます。でも、キッチンや食器を効率良く回す人がいないと、飲食店は成り立ちません。そうやって裏方として頑張ってくれている人たちに、『あなたがいるから、ちゃんとお店が回っているんだよ。ありがとう』と感謝の気持ちを直接伝えています。『いわなくてもわかっているだろう』という考え方は危険です。以心伝心なんてありえないですよ」
昭和世代の上司からすれば、20歳近く年の離れた若手を褒めるのは恥ずかしい気持ちもあるかもしれない。だが、一瞬の恥は捨てたほうが、仕事が上手く回るようだ。