日本画の歴史は1300年以上ともいわれ、古来、日本人の伝統芸術として親しまれてきた。その日本画の世界で、実力と美しさを兼ね備えた若手女流画家たちが、めざましい活躍をしている。
その中のひとり、中原亜梨沙さんは、「生命が朽ち果てる瞬間に美しさを感じる」と創作活動への思いを語る。
「誇らしげに咲き乱れる花よりも枯れかけの花こそが美しい。私がそう思うのは、『生きようとする力』が断末魔の叫びとなり、その瞬間に生命の輝きが見えるから。
作品にもその考えが入るよう、うらわかき女性と枯れかけの花を並べて、“どちらも共に美しい”ことを訴えかけています。このコントラストが上手にマッチした作品は希望に満ちた絵になります」
【プロフィール】
なかはら・ありさ 1984年沖縄県生まれ。2011年東京藝術大学大学院修了。三菱アート・ゲート・プログラム15など入選歴多数。8月8~14日まで伊勢丹浦和店で開催される『アール・デビュタントURAWA2012』に出展予定。
撮影■ヤナガワゴーッ!
※週刊ポスト2012年6月22日号