パナソニックが本社の従業員7000人のうち、3000~4000人を削減すると伝えられた。ソニーやNEC、野村HDといった企業でも大規模なリストラが進行中だ。
リストラで最も重要なのは、実は人を切ること以前に、優秀な人材を引き留めておくことである。大規模なリストラをせざるを得ないほど経営が悪化すると、どこの会社でも通用する優秀な人材は、早々と会社に見切りをつけてしまう。
「それを防ぐため、人員削減や給与カットを行なう一方、辞めてほしくない優秀な人材に対しては金銭的なインセンティブを掲示したり、希望の部署への異動をかなえたりすることがあります」(経済ジャーナリスト・福田俊之氏)
それでも辞めていく人材は多い。あるヘッドハンティング会社の社員が話す。
「優秀な人材には早いうちから我々も声を掛けていますし、本人も会社の経営状態に敏感です。そのため、会社が引き留めに入った時にはすでに他社への移籍が決まっている、といったこともよくあります」
実際にパナソニックの技術者の中には既にサムスンなど韓国や中国のメーカーに移った人も少なくないという。
※週刊ポスト2012年6月22日号