クルーズと聞いて「どうせ時間にゆとりのあるお金持ちの遊びでしょう」と思ったあなた。それは大きな誤解です。
豪華客船として知られる『飛鳥II』も日帰りクルーズなら約5万円から。人気の地中海だって飛行機代に船代も込みの「フライ&クルーズ」で添乗員までついて30万円台から1週間楽しむことができるんです。
肩肘はらずにクルーズが楽しめるという情報が一般向けに知られるようになったのはここ数年の話で、国土交通省の統計によれば、クルーズの利用客は毎年18万人で推移している。
クルーズ歴15年のジャーナリスト藤原暢子氏は、「豪華客船で行く世界1周クルーズのイメージが一般客を遠ざけていることはいえるでしょうね。海外では週末を利用した3泊4日や1週間のショートクルーズが一般的です。ここ最近はアメリカやイタリアの船がアジアマーケットを狙って進出。大型外国船での日本発着のプランも増えていて、日本人の間でも安いクルーズが身近なものになってきています」と話す。
実際にここ数年、シンガポールを拠点に、2泊3日の船代が3万円台から楽しめるスタークルーズ社のプランが日本人にも人気だ。
「フォーマルデーの服装を心配される方も多いのですが、ラグジュアリー客船を除けば、会社に着ていくダークスーツにシャツとネクタイで十分。さすがにサンダルはNGですが、革靴1足あれば十分に溶け込めます。ダンスも任意ですから(笑い)。家事いらずで奥さん孝行にもなります」(藤原氏)
さらには、「朝のビュッフェもあれば昼食や、夜のコース料理もついてきます。ルームサービスだって無料。地上の旅で毎日3食分の食事代がかかることを思えば船は断然お得です。アルコールは別途かかりますが、それでも海外の船上なら免税扱いですから日本のバーで飲むよりずっと安いですよ」(同前)と話す。
※週刊ポスト2012年6月22日号