大島優子の返り咲き1位で幕を閉じた『第4回AKB48選抜総選挙』。世間的に大きな注目を集めたこのイベントを、流通ジャーナリストの金子哲雄氏が分析。AKB48が似ているものとはいったい…?
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若者が集うファッションビルSHIBUYA109は120ほどある店舗をコンスタントに入れ替え、お客に飽きられないようにしています。各地のショッピングセンターのテナントも同じ。100店あったら、5~10店を入れ替えて売り上げと集客力の最大化をはかります。
AKB48の総選挙は、ショッピングセンターのテナントの入れ替えに似ています。メンバーを入れ替えることによって新たなテイストを生んでいくんです。
スピーチを聴いていて、やはり上位16位の選抜メンバーは自分の言葉で短く意見を表明するなどテレビウケするタレントだと思いました。では上位16人だけで充分じゃないかというと、そうではないんです。
この点も流通業界と似ています。たとえばユニクロに代表されるカジュアル衣料量販店において売れ筋の色は黒、紺、白で、売り上げの6~7割を占めるといいます。とはいってもほかの色も必要なわけで、ピンクやブルー、黄などの差し色があるからこそ、黒、紺、白が映えるんですね。AKB48も60位台の子たちがいるから上位16人がさらに輝くのです。
コンビニエンスストアの品揃えとも共通点があります。ひとつの店舗に2500~3000の品数がありますが、一般に売れ筋商品の上位2割が利益の約8割を稼ぎ出しているといわれます。人気のプリンを何種類も揃えているだけでなく、ロウソクも線香も置いているからこそ顧客が安心して行けるんです。コンビニの商品構成は、AKB48のメンバー構成とよく似ています。
※女性セブン2012年6月28日号