これから「上がる株」は何か。ラジオNIKKEI記者の和島英樹氏が注目しているのは、「鉱研工業」(ジャスダック・6297)だという。
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鉱研工業はボーリングマシンのトップメーカーだが、掘削機械の生産だけでなく、エンジニアリングや工事の施工まで手掛ける点が強み。これまでも黒部ダムの岩盤亀裂を防ぐ基礎工事、青函トンネルや新幹線のトンネルなどで実績を持つ。
同社の機械と施工技術は、アジアのインフラ整備、東日本大震災の復旧・復興、さらには原発代替エネルギーとして注目される地熱発電や、「燃える氷」といわれるメタンハイドレートといった新たな資源掘削にまで用途が広がっている。
具体的には、ベトナムやカンボジアなどのアジアやアフリカなどの新興国でのインフラ開発、震災関連では護岸工事、液状化対策や地すべり対策などに用いられる。特に地熱発電の分野では、温泉開発で豊富な施工例を誇る、同社独自のななめ掘り技術が活かされる見通しだ。
また、今後正式に運行ルートが決まるリニア中央新幹線でも、同社はすでに調査用トンネルのボーリングを掘削している。本トンネルの受注でも期待がかかり、中長期的な業績向上が望めるだろう。
※マネーポスト2012年夏号