日本画の歴史は1300年以上ともいわれ、古来、日本人の伝統芸術として親しまれてきた。その日本画の世界で、実力と美しさを兼ね備えた若手女流画家たちが、めざましい活躍をしている。 その中のひとり、阿由比さんは、妊娠したことで絵の存在に改めて感謝しているという。
「高度経済成長期の象徴でもある東京タワーは日本人にとって特別な存在。私も長年モチーフにしてきました。
今、私のお腹の中には赤ちゃんがいます。この絵は妊娠してから描いたもので、今までにない集中力で仕上げました。母性が露わになって、わが子を愛するように作品と接した結果だと思います。出産後は、地に足のついた女性の強さも表現していきたい」
【プロフィール】
ほとり・ゆい 1980年福岡県生まれ。2006年武蔵野美術大学日本画学科卒業。2007年より毎年個展を開催。大学時代からファッション誌などでモデルとしても活動。現在は健康ウォーキング指導師の資格も持つ。
撮影■ヤナガワゴーッ!
※週刊ポスト2012年6月22日号