発砲件数、指定暴力団数ともに全国1位の福岡県。そんな福岡で他県警に先駆けてこの4月から始まったのが「手りゅう弾110番」制度だ。通報で手榴弾が押収されて被疑者も検挙されれば、通報者に10万円を目安として報奨金が支払われるという。匿名通報であれば、報奨金の総額は減ってしまうが、実名の通報であれば、1個につき10万円だ。
実際、福岡県では過去、民家の玄関や小学校の通学路で手榴弾が発見されたケースがあり、専用の110番を設けるのも大いに納得できる。
2003年には北九州市で「みかじめ料」を拒否した飲食店が暴力団員から手榴弾を投げ込まれ、従業員ら9人が重軽傷を負う事件が発生している。
そんな凄惨な事件を繰り返すまいと、県警は2年前、これも全国初の「みかじめ通報ダイヤル」を設置した。暴力団員からみかじめ料や用心棒代、ショバ代などを要求された県民専用の特設ダイヤルである。
他にも、暴力団から因縁をつけられたケースで専用回線で情報を募る「暴追ダイヤル」、暴力団による企業への恐喝・ゆすりを取り締まる「企業たかり遮断FAX」など、福岡県警にしか見られない特別対策が満載だ(県警に通報件数を問い合わせたが、「集計中のため答えられない」とのこと)。
※週刊ポスト2012年6月22日号