サピオ7号(4月25日発売)に掲載された対談記事、「徹底討論 小林よしのり×中野剛志『橋下徹の愛国度』を仕分けする」に対して、橋下徹・大阪市長は4月26日の深夜(27日午前2時過ぎ)からツイッターで猛反撃を開始した。
対談では小林氏が橋下市長の掲げる「脱原発」を極めてポピュリズムに近いと指摘し、中野氏も「TPP」交渉参加に前向きな橋下市長を批判するなど、全体的に橋下氏に対して批判的な論調となっていた。橋下氏のツイートは連日、膨大な数にのぼった。そこで小林よしのり氏にこの論争を振り返り、緊急寄稿してもらった。
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小林よしのりは公人だから、今まで敬称ぬきで批判されたり、話題にされたことは何度もある。
橋下徹はわしと中野剛志の対談を読んで、「面識のない相手を呼び捨てにするな」とブチ切れた。公人を敬称ぬきで語ることは「最低限の社会人マナー」に反するというのが、橋下の常識らしい。
そんな馬鹿なことを言ってたら、君が代強制問題も、入れ墨調査問題も、どういう常識が発動されたのか疑わしくなる。
わしと中野剛志の対談に対して、橋下徹はなぜあんなにもブチ切れたのか? ツイッターでの連日の罵詈雑言は5日間に亘り計100件以上に及んだ。なぜ市長にそんな無駄な時間があるのか?
何かのコンプレックスをいたく刺激したのは間違いない。何かに恐怖して攻撃的になっているようだ。
わしは会って話してもいい、なんならわしの奢りで店を用意して、二人だけで会って話してもいいと言っているのに、橋下はえらそうに記者会見に来いと言って逃げる。何様のつもりじゃ! お前の方が年下のくせに生意気ぬかすなよ!
だがわしは人格で政治家を判断する気はない。政策で判断したいのだ。
「都」は天皇のいらっしゃる所なんだから、府市合併の名称になど使ってはならない! 君が代を強制している尊皇心が嘘だという証明になる! その上、首相公選制は天皇の権威を蔑ろにするポピュリズムの極致で、実現不可能である!
さらにアメリカのマネして道州制を考えるのは馬鹿馬鹿しい! 堺屋太一や竹中平蔵みたいな新自由主義のインテリに影響されるのをやめよ! TPP参加推進は地方を疲弊させ、格差を拡大するだけだ! 今さら小泉純一郎のコピーはみっともない!
わしはそのように橋下や維新の会の政策批判をしている。国家の将来ビジョンはグローバリズムの弱肉強食にはない。それがわかっている政治家と、わしは話をしているし、今後は応援したい政治家もいる。国民は支持する政治家を応援することしかできない。
橋下徹が大阪で行政をやるのなら、わしは口を出さん。だが国政を語るならそうはいかない。国のためになる政策なら応援するが、国のためにならない政策は批判する。これは民主主義の常識だ。
橋下徹には、わしが応援できる政治家になってほしいものだ。
※SAPIO2012年6月27日号