「いつかは来る」「誰でも通る道」と思っていても、いざその日が来るまでは考えたくないのが、親の介護。でも、介護が必要となったときにまず何をすればいいのか、どんなことを準備しておくべきなのか? 知っておくのは大事なこと。介護サービスと費用にまつわる疑問について調べてみた。
まずは介護費用の払い戻しについて。
介護保険を利用しても、介護費用の自己負担額が一定の額以上になった場合、“高額介護サービス費の支給”として払い戻してくれる制度がある。
負担額は住民税を払っているかなどの状況によって1~4段階まであり、住民税課税世帯(第4段階)では、3万7200円以上を払った場合。申請すれば、これを超えた金額分が払い戻される(4万円かかった場合は2800円が戻ってくる)。なお、夫婦がともに介護保険を利用している場合は、合算して申請することも可能だ。
いざ在宅での介護が必要となったとき、あわてるのは車いすや介護ベッドなどの福祉用具の準備。すぐに必要なのに、値段は数十万円するものもある。
また、どのような機能が付いたものがいいのかもわからないのが現実。
そんなとき、ぜひおぼえておきたいのは、介護保険を使えば1割の自己負担でレンタルが可能だということ。これなら、使わなくなったら返却できるし、症状などに合わせて取り換えることもできる。トイレや入浴用品などは購入しなければならないが、こちらも、年間10万円までなら、市区町村に申請すると9割分が払い戻される。
レンタル・購入先は都道府県の指定を受けた福祉用具事業者に限られるので、まずは、ケアマネか地域包括支援センターに相談をすること。
なお、自宅の手すりの取り付けや段差の解消、ドアから引き戸への扉の取り換え、滑りにくい床材への変更などのリフォームも、利用額20万円を上限に自己負担1割(最大2万円)で行える。
あまり知られていないが、市区町村が独自に行っている「高齢者福祉サービス」が、充実していることもある。
例えば、高齢者用の紙おむつの無料支給や、購入費用の一部助成。他に、急病や緊急時に通報できる緊急通報サービスや、訪問や電話などで定期的に安否を確認する見守り、弁当を自宅まで届ける配食サービス、介護保険では対象外の家事援助などのサービスも、無料、もしくは低額で提供している場合も。
市区町村によって違うので、一度、役所でチェックしておこう。上手に利用すれば、介護費用の節約にもなるのだ。
※女性セブン2012年6月28日号