日本はアジアに、そして世界に誇るスポーツ大国である――そう聞くと多くの日本人は“ホントかなァ”と首を傾げるかもしれない。ならば見てもらいたい。「アジアのスポーツ大国」を自任する隣国を、日本がはるかに凌駕している事実を――。
6月12日に行なわれたサッカーW杯予選・オーストラリア戦は、日本サッカーの「底力」を示したといえるだろう。アウェーの地、悪いピッチコンディション、そして疑惑の笛―多くの悪条件のなか、日本代表は確実に勝ち点1を獲得し、W杯出場への「当確ランプ」を点灯させた。
日本人は自国のスポーツに関して、なぜか自虐的に考えがちだ。お家芸であるはずの野球では、WBC開催前は、多くの人が「アメリカやキューバには敵わない」と思い込み、韓国に敗れると“韓国に追い抜かれるのも時間の問題か”と悲観的になる。
サッカーでも、2年前の南アフリカW杯で岡田ジャパンの決勝トーナメント進出を予想した人は少数派だった。大会後に「岡ちゃんゴメン」が流行語となったのも記憶に新しい。
日本スポーツはもっと胸を張っていい。確かに韓国・中国の選手の活躍が目立つ女子ゴルフを見るとつい自信を失いがちになる。しかし、藍、美香の“W宮里”は米国でも高い評価を受けているし、過去には岡本綾子が米ツアーの賞金女王に輝いた歴史もある。
冷静に数字を見ていけば、日本がアジアの「スポーツ大国」であることがハッキリわかるのだ。以下が、海外リーグに所属する日本人および、他のアジアの国および地域の選手たちのリストだ。
【サッカー】日本=19人 韓国=10人 中国=1人
※UEFAチャンピオンズリーグへの出場枠を2つ以上持つ国の1部リーグが対象。
※所属は2011-2012年シーズンの在籍チーム(レンタル移籍を含む)。2012-2013年シーズンの所属先が確定している選手はそのチームを表記した。
※国名の横の数字はFIFAランキング。
■日本(23位)
●プレミアリーグ(イングランド)
香川真司(マンチェスターU)
宮市亮(アーセナル)
●リーガ・エスパニョーラ(スペイン)
指宿洋史(セビージャ)
●ブンデスリーガ(ドイツ)
長谷部誠(ヴォルフスブルク)
内田篤人(シャルケ04)
細貝萌(レヴァークーゼン)
岡崎慎司(シュツットガルト)
大津祐樹(ボルシアMG)
宇佐美貴史(ホッフェンハイム)
酒井高徳(シュツットガルト)
酒井宏樹(ハノーファー)
●セリエA(イタリア)
長友佑都(インテル)
森本貴幸(ノヴァーラ)
●リーグアン(フランス)
松井大輔(ディジョン)
●ロシア・プレミアリーグ(ロシア)
本田圭佑(CSKAモスクワ)
●エールディヴィジ(オランダ)
吉田麻也(VVVフェンロー)
安田理大(フィテッセ)
高木善朗(ユトレヒト)
●ジュピラーリーグ(ベルギー)
川島永嗣(リールセ)
■韓国(35位)
●プレミアリーグ(イングランド)
朴智星(パク・チソン)(マンチェスターU)
李菁龍(イ・チョンヨン)(ボルトン)
朴主永(パク・チュヨン)(アーセナル)
池東ウォン(チ・ドンウォン)(サンダーランド)
●ブンデスリーガ(ドイツ)
孫興民(ソン・フンミン)(ハンブルガーSV)
具滋哲(ク・ジャチョル)(アウクスブルク)
●リーグアン(フランス)
鄭助國(チョン・ジョグ)(ASナンシー)
●ロシア・プレミアリーグ(ロシア)
キム・インソン(CSKAモスクワ)
●エールディヴィジ(オランダ)
石鉉俊(ソク・ヒョンジュン)(フローニンゲン)
●スーパーリーグ(スイス)
朴柱昊(パク・チュホ)(バーゼル)
中国(73位)
●スーペル・リーガ(ポルトガル)
張呈棟(ベイラ・マル)
【野球】合計数 日本=15人 韓国=1人 台湾=2人
※2012年にメジャー登録された選手
■日本
イチロー(マリナーズ)
松坂大輔(レッドソックス)
上原浩治(レンジャース)
高橋尚成(エンゼルス)
建山義紀(レンジャース)
松井秀喜(レイズ)
斎藤隆(ダイヤモンドバックス)
黒田博樹(ヤンキース)
福留孝介(ホワイトソックス)
五十嵐亮太(ヤンキース)
川崎宗則(マリナーズ)
青木宣親(ブルワーズ)
岩隈久志(マリナーズ)
ダルビッシュ有(レンジャーズ)
和田毅(オリオールズ)
■韓国
秋信守(チュ・シンス)(インディアンズ)
■台湾
王建民(ワン・チェンミン)(ナショナルズ)
陳偉殷(チェン・ウェイン)(オリオールズ)
※週刊ポスト2012年6月29日号