サッカー日本代表・香川慎司のマンチェスター・ユナイテッド移籍が現実のものとなり、日本人選手に対する注目度は益々高くなっている。しかし、喜んでばかりはいられない。サッカー界の重鎮・釜本邦茂氏はこう語る。
「欧州のクラブが日本の選手を獲得するのは、Jリーグの契約システムが未熟なため、移籍金を安く済ませることができるという理由もある。せっかく世界的な選手が育っているのだから、代表クラスの選手をタダ同然で買い叩かれるのではなく、移籍金のルールを整備すべきです」
香川も2010年にボルシア・ドルトムントに移籍した時は、古巣・セレッソ大阪には「育成補償金」の名目で約4000万円が支払われたに過ぎなかった。選手が世界水準なのに、マネジメントがそのレベルに追いついていないという指摘は、今後の日本サッカー界における課題といえそうだ。
※週刊ポスト2012年6月29日号