民主党、自民党、公明党による消費増税を主体とした社会保障と税の一体改革案が大詰めを迎えている。この3党はまさに一体となって「大日本増税党」を結成しようとしている。
消費税法案のカギを握るのは民主党の中間派だ。「増税には反対」で、「解散・総選挙は怖い」が、小沢一郎・元代表と一緒に増税反対運動には加わりたくないというコウモリ政治家の集合体である。
その代表格が長妻昭・元厚労相だ。自民党との法案修正協議では、最低保障年金などのマニフェスト撤回に表向き反対しながら、年金改革などを後回しにして増税を先行させる財務省シナリオに沿った動きをしている。
「長妻さんは中間派を小沢氏ら増税反対派から切り離す役割。厚労相を退任以来、官僚に嫌われて冷や飯組だが、成功すれば次のポストが回ってくるチャンス」(民主党政調幹部)と見られている。“中間派”なんていわれて恥じない連中は、しょせん中間で日和見するしか能のない烏合の衆なのだ。
コウモリ中間派の邪な本音マニフェストはこんなものだろう。
【ここは恩を売っておいて、次期増税党代表を目指します。】
政党ぐるみでコウモリなのが公明党。民主党の社会保障政策を批判し、選挙に向けた支持者の政治勉強会では、「公明党は消費税増税法案には賛成できないと説明を受けた」(創価学会員)というが、このまま民主・自民の増税大連立ができれば政界での影響力を失いかねないことから、修正協議に加わってそれまでの路線を変更した。
消費税引き上げ時に低所得者に「1人1万円」を支給する特別福祉給付金の拡充や、さらに低所得者への国民年金25%増額(満額は月額6万4000円から8万円にアップ)を要求している。
まさに自公連立時代、支持母体である創価学会のご機嫌を取るために地域振興券や定額給付金を配ったバラマキ路線の復活だ。
同党の井上義久・幹事長は、「解散・総選挙後に大連立か協議体をつくって、民自公3党が参加し、懸案を解決していくことが必要だ」と、総選挙後の大連立まで言及した。それは3党が組めば公明党は永久に与党でいられるという発想である。
この元祖バラマキ政党のマニフェストを代筆するならこれしかない。
【公明党・創価学会の「100年安心プラン」をつくります。】
※週刊ポスト2012年6月29日号