夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回寄せられたのは、OA機器メーカー勤務のご主人(45歳)。奥様(45歳)との間には大学生と高校生の息子さんがいます。
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「コンセントを抜きなさい! 入れっぱなしにしておくと、待機電力といって電気代がかかるのよ」「クーラーの温度設定を下げ過ぎよ」などと、日頃から息子たちに節電を口うるさくいっている女房です。
その女房が家族揃った食卓で息子たちに「ふたりとも電気を使ってばかりいないで作りなさいよ」。息子たちはキョトンとした表情です。「夕方、買い物に行く途中で、若い男の子が会話してたのよ。『太陽光発電とかいってるけど、オレたちも自家発電してるもんな』『そうだよ、電力会社に買ってもらいたいよ』って。男の子って電力を作る能力があるって、初めて知ったわ。ふたりとも頑張って自家発電してよ!」
天然ボケ女房だとは思っていたけど、これほどまでだったとは! 幸い、息子たちは自家発電の意味はわからず、首をかしげながら自分の部屋に戻ったので、女房に「バカ! 自家発電っていうのはマスターベーションのことだぞ!」と注意すると、「ウソ~ッ! マスターベーションで電気が作れるんだ」って、どこまで天然なんだよ!
「でもさぁ、そういう言葉を聞くと、ムラムラしない?」って、しないよ! 「いいわよ、今夜は久しぶりにカモン!」って、行かないから!
※週刊ポスト2012年6月29日号