酒は楽しく飲みたいものだが、楽しくしようと配慮をするあまり、逆に場が白けてしまうことも。白けさせることに関しては天才的な才能を見せる夫(42才)を持つ東京都在住のFさん(42)の悩みは尽きないようです。ご近所さんからもイヤミを言われているのだとか。
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田舎の親戚の法事とか、熱を出したとか、よほどのことがない限り、会社帰りは必ず立ち飲み屋さん。生ビール2杯とおつまみ1品で1000円の“ほろ酔いセット”の常連なのよ。 ほかに趣味らしい趣味がないダンナだから、立ち飲みに通うことをどうこういうつもりはない。ていうか、どうこういってるのはダンナのほう。
「男はな、ここって決めたら浮気はしないもんだ」から始まって、「常連客は客の代表だが、店の立場も考えてやらなくちゃならん」だの、「立ち飲みに1時間以上居座るのはヤボ。サッと飲んでサッと帰るのが客のタシナミ」だの、私の弟とか会社の後輩にゴタク並べるからイヤになっちゃう。
最近、ご近所のHさんから聞いて知ったんだけど、あの飲み屋でうちのダンナ、“風紀委員”っていわれてるんだって。頼まれもしないのに“飲みルール”を作っちゃって客のマナーチェックをするから。Hさんがこういうの。
「潔癖性なんでしょ? 女性客にビールとかおごったりする男性客は大嫌い。男性客にお酒をねだる女性客はもっと嫌いで、目撃すると“おう、酒は自分の金で飲もうぜ”ってガツーン」
Hさんもダンナにやられたそうで「確かにさ、いってることはゴモットモなんだけど、オタクのダンナがいると酒がまずくなるって帰っちゃう客もいるし“ナンだ、この野郎。表に出ろ”って怒り出す人もいるのよね」っていうの。
それだけじゃない。隣に立つ客のヒジが当たると、「狭い店なんだ。気ぃつけような」とジロリとにらむ。つまみの漬物の端っこが残っているのに店の人が皿を下げようとしたら「おう、何すんだ」ってひったくる。
Hさん、よほどウップンがたまっていたみたい。ダンナの悪口、いい出したら止まらなくなっちゃった。
※女性セブン2012年7月5日号