香川真司や長友佑都に代表されるように、サッカー界では日本人選手が次々と海外で成功を収めているが、お隣り韓国では、日韓W杯以降の後進選手が伸び悩んでいる。実際、韓国サッカー界では「朴智星(パク・チソン)の後継者問題」が解決しないのが最大の懸案とされている。一方で日本では中田英寿の次は中村俊輔、その次は本田や香川と、世界的クラブで主力を張る選手が途切れることなく続いている。
バンクーバー五輪での金妍兒(キム・ヨナ)の金メダルに韓国は熱狂したが、日本のように荒川静香に続いて、安藤美姫、浅田真央、そして村上佳菜子と、世界のトップを狙える人材が次々登場しているわけではない。
スポーツジャーナリストの谷口源太郎氏はこう指摘する。
「本当のスポーツ大国とは、特定の突出した選手の活躍ではなく、全体の層の厚さをもって語られるものなのです」
もちろん日本も胡坐をかいていては、いずれ韓国や中国に「アジアのスポーツ超大国」の座を奪われかねない。だが、現状を見る限り、その差はまだまだ大きいことは間違いない。
※週刊ポスト2012年6月29日号