お金持ちとそうでない人は何が違うのか? 家計の見直し相談センターの藤川太氏が、お金に関する固定観念を解き明かしていくマネーポストの好評連載「お金持ちの方程式」。今回は「固定費の節約」について解説する。
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実はいま固定費のなかで最も増大しているのが「通信費」であることをご存じでしょうか。
総務省「家計調査」の勤労者世帯の消費支出の費目を2001年と2010年で比較したところ、食料や被服及び履物といったやりくり費はもちろん、住居費などへの支出が下がっているのに対し、通信費は3000円以上も増え、伸び率は27.7%にも上ります。この9年間で家計の支出全体が2万円弱減っていることを考えれば、家計における通信費の負担がいかに増大しているか、おわかりいただけると思います。
見方を変えれば、膨らみつつあるいまだからこそ、見直すべきものが通信費であるといえます。かつて通信費といえば、家にある固定電話代くらいでした。ところが、今や携帯電話が1人1台は当たり前。なかにはスマートフォンとガラケー(従来型の携帯電話)の2台持ちをしている人もいるでしょうし、インターネットの接続料にケーブルテレビや衛星放送など、通信費がかかる場面は想像以上に増えています。
それらを合わせれば、1世帯当たりの通信費が2万~3万円になるのはザラでしょう。
そこで、今回は通信費の見直し方法を紹介したいと思います。
まず考えたいのが、契約の数そのものを減らすこと。携帯電話の2台持ちが本当に必要なのか、あるいはすっかり使う機会が減った固定電話を思い切ってなくすという選択肢も考えられます。
固定電話の代わりに、パソコンやスマホ経由で格安の通話ができるIP電話を使うという手があります。
たとえば『スカイプ』というソフトをパソコンやスマホにダウンロード(無料)しておけば、スカイプ同士なら国内外で無料通話ができますし、一般の固定電話や携帯電話にも安くかけられる。同様の仕組みで『LINE』というサービスもあります。
また、『050 PLUS』というスマホ向けアプリは月額基本料315円を払うと、同じアプリ同士で無料通話ができるうえ、「050」で始まる電話番号も持てるので、一般の固定電話や携帯電話からの電話を受けることもでき、従来の電話と遜色ない使い方ができるのではないでしょうか。
そして、何よりもかさんでいるのが携帯電話料金でしょう。通信各社ではさまざまな料金プランが用意されていますが、それが本当に自分の使い方に合っているかどうかという料金プラン診断は各通信会社のサイト上でも簡単にできるので、こまめに見直すことはもちろん、家族間の割引などの各種割引制度を使うのは基本中の基本。
便利だからといって知らず知らずに契約している有料サイトやアプリも再確認して、本当に必要なもの以外は解約しておきましょう。
(連載「お金持ちの方程式」より抜粋)
※マネーポスト2012年夏号