「居酒屋で飲み食いすると体に悪い?」──そんなことはありません。確かに飲み過ぎは体に毒だし、酒に合うつまみは塩分や脂肪分が多いこともある。だからこそ、正しいメニュー選びのコツを知っておこう。
【1】「カリウム」で塩分対策
高血圧、生活習慣病を気にかける働き盛りは、メニューに必ず「カリウム」が入った食材を選ぶべきだ。酒の肴は総じて塩分が高いのが難点だが、カリウムは過剰摂取した体内の塩分(ナトリウム)を尿とともに排出する作用がある。ほうれん草やアボカド、パセリなどの野菜類や、昆布やわかめなどの海藻類、果物、大豆やじゃがいもなどに多く含まれる。代表的なメニューでいえば「ほうれん草のおひたし」「肉豆腐」などがいい。
【2】「さらしタマネギ」で動脈硬化予防
タマネギやにんにくに含まれるアリシンには、末梢血管を拡張させ、血圧を下げる働きがある。前菜に何を頼むか悩んだ時は「さらしタマネギ」(オニオンスライス)と覚えておくといい。
【3】椎茸は「コレステロール」にも「二日酔い」にも効く!
椎茸には、血液中の過剰なコレステロールを体外に排泄するエリタデニンという成分が含まれる。ほかにも、二日酔いの原因となるアセトアルデヒドを分解するナイアシンや、前述のカリウムなども豊富だ。焼鳥屋の盛り合わせには「焼き椎茸」を加えよう。
【4】血糖値が気になるなら「低GI食品」と「酢」を
飲食すれば必ず血糖値が上昇するが、食材や食べ方によって上がり方が急激なものと緩やかなものがある。まず大切なのは血糖値の上昇が緩やかな「低GI(glycemic index)食品」を選ぶこと。代表的なものは豆腐や納豆、枝豆などの大豆製品や、トマトやブロッコリー、キャベツといった野菜、ナッツなど。「とりあえずビール」のお供には「豆か野菜」と覚える。
「酢」の効能も大きい。白米や麺類などの高GI食品は酢を使って調理をしたり、一緒に食べることでGI値を下げることができる。
●取材・構成/大木信景(HEW)
※週刊ポスト2012年6月29日号