毎日、何気なく飲んでいるお茶。日本人なら日常的に飲んでいるが、おいしく飲むコツはあるのだろうか。専門家に聞いた。
まずは、おいしい茶葉選びのコツは、食べてみることだという。日本茶ソムリエ・『茶茶の間』オーナー 和多田喜さんは次のように話す。
「お茶の専門店に行ったら、まず茶葉を試食させて欲しいと聞いてみて。茶葉そのものがおいしければ間違いなく自分の口に合うお茶です」
中国茶の発祥地といわれるミャンマーでは、いまでもお茶を食べている。日本緑茶センター代表で、日本マテ茶協会会長・北島勇さんは「茶がらには、65%以上の栄養がはいっているので、食べれば健康維持に役立ちます」と話す。
水も味を左右するという。上質な茶葉でも水がよくなければ味は半減。カルキ臭があるとお茶も生臭くなる。家庭なら浄水器を使うか、ペットボトルの水を利用してもよいという。
「海外は硬水が多いので、かえってお茶の味を損ないます。日本茶をいれるなら国産の軟水を」(前出・和多田さん)。
野菜茶業研究所上席研究員の山本万里さんも「アルカリイオン水を使うと風味が損なわれる他、茶カテキンを分解しやすいので、効果が期待できなくなります」と指摘する。
さらに緑茶の茶葉の量は100ccに対して小さじ1杯(約3g)が目安だという。
お茶の濃さは個人の好みがあるが、一般的に煎茶をおいしくいれられる目安としては、100ccに対し小さじ山盛り1~2杯(約2~3g)。ほうじ茶は大きめのポットに大さじ3杯をいれ、ポットいっぱいになるぐらいのお湯で約30秒蒸らす。
横浜・元町『日本茶専門店茶倉 SAKURA』オーナーの小方奈緒さんは次のようにアドバイスする。
「お湯の量は70~100ccとお好みで調整して。お湯は事前に必要な量をはかっておいてから沸かすと失敗がありません」
通常、水を沸かすと水の中の空気は蒸発してしまうが、お湯は高いところから注ぐと空気がはいってまろやかになるという。前出・和多田さんは次のように話す。
「これは上級者向けのテクニックですが、お湯を高い位置から注ぐことを『湯もみ』といって、空気が含まれ、まろやかなお湯になります。ただし、直接高く注ぐと茶葉が揺れ、苦みの原因に。口が広めの器でも空気に触れやすいので、おいしく飲めます」
※女性セブン2012年7月5日号