北朝鮮が外貨獲得のために、自国の“美女”をリストアップし、専門の団体を通して北朝鮮女性と結婚したい外国人男性に斡旋していることが明らかになった。結婚には最低でも100万ドル(約8000万円)が必要だ。
米国を拠点に中国語のニュースを配信している多維新聞網や中国新聞網によると、北朝鮮の美女との結婚を希望しているのは主に中国人男性で、中国国内の朝鮮族と北朝鮮国内のブローカーが結婚斡旋のための団体を作り、結婚の申し込みを受け付けるというもの。
北朝鮮の美女との結婚を望む男性は、まずこの団体に手付け金として5万ドル(約400万円)を渡す。そして写真付きのリストから女性を選ぶ。後日、男性が北朝鮮に赴くとその滞在中に女性が派遣され面談するという。
結婚した男性は北朝鮮国内でビジネスを行う権利を獲得するが、投資しない場合はさらに100万ドル支払う必要がある。
米国務省がこのほど発表した世界の人身売買報告書によると、北朝鮮の女性の場合、中国人男性と強制的に結婚させられたり、売春をさせられており、その実態は深刻だと伝えている。
また、報告書によると、北朝鮮政府はロシアやアフリカ、東欧、中東など国々と労働者派遣の契約を結んで、北朝鮮の国民に強制的に労働をさせているという。これについて、米国務省のルイス・シドバカ人身売買根絶担当大使は「数年間にわたり北朝鮮当局が中東やロシアなどに労働者を送り、賃金を搾取するだけでなく、徹底的に監視し、移動の自由まで剥奪しているという点で、強制労働問題は深刻だ」と指摘している。
このような人権無視の外貨獲得策は、北朝鮮経済が一層困窮している状況を如実に物語っている。