昨今、離婚件数の増加とともに、不倫調査が増えているという。都内にある中堅の調査会社は10人のスタッフを擁し、リサーチ能力に対する評価は高い。同社の調査主任は語った。
「今回の依頼は、四国のある県に住む40歳の奥様からのものでした」
彼女の夫は43歳。結婚して17年目、中学1年生の娘が1人いる。妻は専業主婦、疑惑の夫は照明機器のベンチャー企業に勤める営業課長だ。
「奥様は、地元で何社か調査会社や探偵事務所に相談されたそうですが、満足できずに当社のホームページを見て、電話でご連絡くださいました」
妻の声は戸惑いだけでなく、いくぶんかの怒気を含んでいた。
「夫の様子がおかしいんです。以前は年に数度だった東京出張が、このところ月2、3回もあるんですよ」
最近、夫の会社はLEDブームにのり盛況らしい。調査主任はいった。
「じゃあ、ご主人が東京に出張されるのも、あながちおかしなことじゃないかもしれません――」
だが妻は彼の言葉をさえぎった。
「自宅のパソコンの検索履歴を調べたら、主人は西麻布にある芸能人ご用達の焼肉屋や、広尾のスイーツのお店を検索してました。お肉よりお刺身が好きで、辛党の主人がそんなところへ行くわけありません」
極めつけは、スーツの内ポケットに入っていたレシートだ。
「銀座のデパートで、女性用の高級ストッキングを買っているんです。東京に出張した時に、女性と会っているに違いないです」
女性のカンは鋭い。夫のちょっとした言動を見逃さない。それが不倫の場合、100 %近く当ててみせる。
※週刊ポスト2012年7月6日号