当て字や変わった読み方で、マンガのキャラクターのような個性的な名前の子供が増えている。いつからか、そうした名前は「キラキラネーム」と呼ばれるようになった。が、親が特別な期待を込めて付けた名前が、もしかしたら将来、裏目に出てしまうかもしれない。大手都市銀行の人事担当者は明かす。
「3年ほど前、子会社のキラキラネーム系の男性新入社員が入社半年ほどで出社しなくなった。間もなくその親が会社に乗り込んできて、『上司のいじめのせいで子供が出社拒否になった』とまくし立て、会社に補償まで求めたのです。だが、人事が調べても上司に落ち度はなく、男性社員の被害妄想だっただけでした。
その一件以来、人事ではエントリーシートや面接の際に、キラキラネームの人にはどうしても厳しくなってしまう。試験結果が同程度なら、やはり一般的な名前を優先して採用する。前例があるのに人事は何を考えてんだ、と責められる可能性があるからです」
なんと、キラキラネームの学生は就職活動で不利だというのだ。一部の極端な例だけで決めつけることには問題があるが、このように採用試験の際にキラキラネームを気にするようになった企業は少なくない。ある大手メーカー役員は、「いいにくいことだが」と前置きし、「そういう名前を付ける親御さんの“常識”はどうしても本人に影響してしまうからね」と語った。
※週刊ポスト2012年7月6日号