民主、自民、公明の3党は消費税を2014年4月に8%、翌2015年10月に10%に引き上げる増税案に合意、法案成立に向けて大きく動き出した。税率引き上げは日本経済にどのような影響を与えるのか。
自動車業界への影響は深刻だ。3%から5%へ消費増税のあった1997年度の新車販売台数は、駆け込み需要があった前年度の728万台から、反動で14%落ち込み100万台減となり、その後も低空飛行を続けて、2008年度以降は400万台で低迷している。
たとえば180万円の新車を購入する場合、消費税が10%になれば9万円プラスされ、自動車取得税、重量税と合わせて税金だけで約30万円も支払うことになる。自動車ディーラーの販売担当者はこういう。
「エコカー減税効果で今年度は大幅に回復しそうですが、それがなくなった後に消費増税が来る。業界では2014~15年度は15~20%程度の需要減を想定しています」
裾野の広い自動車産業は関連産業を含めると500万人の就業人口を持ち、出荷額合計で57兆円にも上る。もし2割も落ち込めば、それだけで11兆円ものマイナスとなるのだ。
※週刊ポスト2012年7月6日号